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ENTROPYX説

2005/01/31

世界のテレビをネットでみる

ネット上の動画コンテンツは日々増殖しているようだ。企業が仕掛ける商品プロモーションのストリーミングから、Flash職人が作るユーモア溢れるアニメーションまで、探せば限が無いほどある。

Aiiのようなコンテンツプロバイダーでフィーを払ってきっちりと観るのもいいが、気軽にAtomFilmsなどでショートフィルムを観たり、AppleのMovieTrailerComigSoon!といったサイトで新作映画のトレイラーやティザー映像をチェックしたりするのも楽しい。

最近は国内の各TV放送局は放送済みのニュースを逐次Web上に公開しているため、時事情報についても動画でチェックすることができる。放送というメディアも徐々にネットを無視できなくなっているということなのだろうか?

しかしさすがにドラマやドキュメンタリー番組はスポンサーとの利権問題が絡むのでWeb上にコンテンツとして無料で公開することははばかられているようだ。一部の放送局では動画コンテンツ事業に向けて準備しているという話も聞くが、実際に開始したのかどうか、その後の話はどうも聞かない。

放送メディアとネット系メディアというのは水と油のように分離して決して溶け合わない、という印象をどうしても抱いてしまう。NHKアーカイブスのような番組単位の閲覧が、現地ではなくネット上のコンテンツとして観ることができるようになったらどんなに便利かと思うが、民放各社はまだまだVODサービスどころじゃないのだろうか。

そんな国内のTV放送局事情を度々耳にしていたこともあり、放送している番組をネット上に、しかもライブで垂れ流しているサイトなどないだろう、と思っていた。思っていたのだが実際に調べてみると、世界は広かった。ライブで自局の番組をストリーミング配信しているTV放送局は少なくないのだ。

とくにローカルな放送局はライブストリーミングを行っている比率がなぜか高い。実際にその映像を観てみると、オンデマンドで映像を観ることに慣れているせいか、(一旦観始めたら)なにも操作しなくてよいことが逆に不思議な感覚を与える。あたかも「テレビ」を観ているようなのだ。いや実際それは、遠く離れた現地の人々にとっては紛れもない「テレビ」番組なわけなのだが。

普段からBSやケーブルTVの有料放送でCNNなどの海外放送は普通に観ているにもかかわらず、海外テレビのライブ配信映像はそれとは異質な何かを与えるような気がする。配信されてくる番組がローカルならばローカルなほど、妙な気分になるのだ。

イカ天!世界のネットTVガイド

の膨大な配信リンク(チャンネル?)を目の当たりにすると、また少し世界が縮まったような気がしてくる。

sim


フランスのローカルTV「Clermont1ere


2005/01/25

メーカーとユーザーの力学

日経ビジネスに掲載された久多良木SCE社長のコメントが各方面で話題になっている。ポータブルゲーム機PSPの不具合(氏によれば仕様)に関しての公の場での発言である。

「これが、私が考えたデザインだ。使い勝手についていろいろ言う人もいるかもしれない。 それは対応するゲームソフトを作る会社や購入者が、この仕様に合わせてもらうしかない。」 「使用する液晶画面はこれ以上小さくしたくないし、PSP本体もこれ以上大きくしたくなかった。 ボタン位置も狙ったもの。それが仕様。これは僕が作ったもので、そういう仕様にしている。 明確な意思を持っているのであって、間違ったわけではない。世界で一番美しいものを 作ったと思う。著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖をつける人は いない。それと同じこと」
日経ビジネスno.1276 8ページより引用

たしかに過激なコメントだ。ユーザーを挑発しているとしか思えない。
某巨大掲示板やブログでは批判と揶揄の的となっている。
実際にPSPを購入した人にしか、その不具合の程度はわからないわけで、お気の毒にとしか言いようがない。
ネット上で大騒ぎになっているのは、PSPを実際に買った人のクレームというよりは、買ってもいない人が久多良木氏のコメント(挑発)に対していろいろ言っているケースのほうが多いようだ。
まぁ言論の自由は保障されているので、それをまたどうというわけではないが・・・


欠陥か欠陥ではないかという判断は微妙だ。音の出ないラジオや、開け閉めのできないドアなどとは違い、はっきりとその機能の欠如が確認できないゲーム機は、その判断は難しい。

そういった微妙な線の場合、これまで大抵日本の企業のトップは折れるほうに回り「申し訳ありません いま至急対処に当たっているところでございます」と言って急場を凌いできた。
今回の騒ぎはおそらく、多くの人が当然得られるであろうと思っていたそうした謝罪コメントとは裏腹に「つべこべ言わずに大人しく遊んでろ 文句があるなら買いなさんな」という強硬な態度を大メーカーの代表者がとったことが主たる要因だろう。

たしかにそんな大胆な発言を公の場でした人というのは記憶がない。
「お客様は神様です」と教わってきた日本人にとって、違和感を感じないわけはない。
不具合に対する修理は無償で受け付けているため、全く消費者を無視しているわけではないのだが、やはりそうした違和感が人々の気分を煽っているのだろう。

しかし冷静に考えてみれば、久多良木氏の言うことには理解できる面がある。「文句があるなら買わなければいい」という考え方は市場原理から言えば別段おかしい話ではない。買った後で苦情を言ってくる人に対しても、初期ロットで購入することに対するリスクは付き物でそれがいやならしばらく経ってから買えばいい、ということなのだろう。

今回のこの発言では、ユーザーの意見なんか聞くもんか!という氏の姿勢が良くわかる。自分が創りたいものを創っているだけ、それをあなたが欲しいというなら譲ってあげましょう、その代わり文句は言わない約束だよ、とでも言っているように聞こえる。

あらゆるものが当たり前のように手に入り、商品は完璧であるべきだと思っているユーザーにとっては、作り手側である氏の発言は受け入れ難いかもしれない。しかし他に選択の自由がないような商品に限っては、そこではメーカー優位にならざるを得ないという根本原理を忘れてならない。

いやなら買わなければいい。気に食わないメーカーだと思ったら今度から二度とそのメーカーの商品は買わないことだ。
ネットの利を活かして、その商品や会社の悪評を伝えていくのも間違った方法ではないだろう。

それによって売れ行きが減ってメーカーの考え方が変わればユーザーの勝ち、それでもそのまま売れ続ければメーカーの勝ち、なのではないだろうか。

何れにせよ、日本のメーカーにはもっとユーザーを無視するくらいメーカー主体で欲しいと思うものを創ってほしいものだ。公の場でそうした本音のコメントはしなくてもいいから・・・

sim

2005/01/23

ネット上のポケットティッシュ



サントリーモルツ4水系セット10万名プレゼント

10万名に4本セットを送るコストって一体いくら掛かるのか。
最近の商品キャンペーンは規模がデカイ。
サントリーは宣伝費掛けますねぇ。
・・・と思いきや、アサヒビールも同様キャンペーンやってました。↓




アサヒ本生ゴールド10万名プレゼント

こちらは2本セット。でも送料とか含めると企業サイドとしてのコストは上記とあまり変わらないかも。
10万名という人数はサントリーと同じ人数分だけど、これってメーカー同士で相談でもしたんだろうか? いやそんなわけないか。
それからもうひとつ大量当選の品が。↓




Nescafe香味焙煎30万名プレゼント

30g入りインスタントコーヒー。
まぁ人によっては個人情報を渡す対価としては少し安価過ぎる品と考えるかもしれない。 なので情報漏えいが怖くて懸賞なんてやってられるか!ってノリの人はぜひ。

しかし30万名という数字は凄い。
街頭で配られるポケットティッシュのように、ネット上でもこれからはタダでももらってくれる人というのは、企業側からは有難がられる存在になるのか?

sim

2005/01/13

板ガム大



上 iPod shuffle
下 ガムメジャー

板ガム大、いや正確には板ガムのパッケージ大と言うべきか、とにかく最近このサイズ感が気になる。
一昔前まではカードサイズというのが小型ガジェット物のリファレンスサイズというか基準になっていたような気がするが、さらに小型になってきたということか。
しかし板ガム(パッケージ)大に変わってきたのはサイズ縮小という意味もあるが、それ以上に形状のアスペクトレシオの変化も、心理的には効いていると言えないだろうか。
細長いものに対する好奇心とでも言おうか。

憶測でしかないが、ソニーはずいぶん前から細長戦略を実行してきたような観がある。メモリースティックは文字通りスティック型だ。そのメディアを利用したメモリーオーディオは(フォーマットが独自なためいまひとつブレイクには至らなかったが)多くの場合メディアに準じて棒状であったし、サイバーショットはメモリースティックに合わせて途中から横長タイプが主流になっていった。

しかし(これも主観的な見方だが)一昨年くらいから昨年にかけてはデジカメのようなガジェットはそれまでのストリームから一転して薄型であることが重要視されていたようである。カシオがEXILIMで成功をおさめたのもちょうどそんな時流に合っていたからかもしれない。厚さを犠牲にしてまでも縦横比を細長にしていた(サイバーショットなどの)商品は比較的苦戦していたように見受けられる。ソニーが急きょ薄型Tシリーズで他社に追随していったわけだが、iPod shuffleのような「板ガムガジェット」を見ると、そんな業界全体の「薄型路線」もそれまでのより戻し現象にさえ思えてくる。

ソニーの細長化戦略(たとえばコレ)は早過ぎた計画だったのかもしれない。
プラスマイナス0のメジャーが板ガムパッケージサイズであることが、そんな邪推を想像させる。

sim