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ENTROPYX説

2005/02/09

カローラは不人気車種!?

下の二つの表を較べてみていただきたい。
どちらも先月1月の新車(軽除く乗用車)販売台数のランキングである。
(表はそれぞれ異なった基準で作られている)

1 フィット ホンダ 7,796
2 マークX トヨタ 7,399
3 デミオ マツダ 7,247
4 ウィッシュ トヨタ 6,385
5 ティーダ 日産 6,333
6 アイシス トヨタ 6,147
7 パッソ トヨタ 6,102
8 キューブ 日産 5,761
9 マーチ 日産 5,715
10 ラフェスタ 日産 5,506
11 ヴォクシー トヨタ 5,455
12 オデッセイ ホンダ 5,379
13 アルファード トヨタ 5,135
14 ノア トヨタ 5,115
15 ノート 日産 4,966
16 コルト 三菱 4,933
17 イスト トヨタ 4,896
18 クラウン
(ロイヤル&アスリート) トヨタ 4,410
19 シエンタ トヨタ 4,096
20 エルグランド 日産 3,871
AGN 新車販売台数ランキングより引用

1 カローラ トヨタ 9,740
2 ティーダ 日産 9,705
3 フィット ホンダ 7,796
4 キューブ 日産 7,565
5 マークX トヨタ 7,399
6 デミオ マツダ 7,247
7 ウィッシュ トヨタ 6,385
8 アイシス トヨタ 6,147
9 パッソ トヨタ 6,102
10 クラウン トヨタ 5,833
11 マーチ 日産 5,715
12 ラフェスタ 日産 5,506
13 ヴォクシー トヨタ 5,455
14 オデッセイ ホンダ 5,379
15 アルファード トヨタ 5,135
16 ノア トヨタ 5,115
17 ノート 日産 4,966
18 コルト 三菱 4,933
19 イスト トヨタ 4,896
20 シエンタ トヨタ 4,096
自販連 乗用車車名別順位より引用


ひょっとすると、聞いたことない名前がずらっと並んでいてぜんぜんわからない!という方が多いかもしれない。たしかに最近はいわゆる伝統ある車名を廃して新しいネーミングでイメージチェンジを図るケースが増えているので、車名からどんなクルマなのかを想像することは難しいかもしれない。

でもまぁそれは置いといて、二つの表の大きな違いに気付かないだろうか。そう、新車ランキングで見慣れた「あの」車名が最初の表には載っていないということ。その車名とは二番目の表ではナンバーワンとしてランキングされている。「カローラ」のことだ。

同じ1ヶ月分のランキングに、なぜこうも大きな違いが現れてくるのだろうか。実はこの二つの表、上が「車名が同じでも異なる車種は別々に数えたランキング」で、下が「同車名をひとくくりに数えたランキング」なのである。通常ニュースとして報道されるのは、ほとんどの場合、後者のランキングである。

カローラが一番売れているという話は、いままで耳にタコができるくらい聞き慣れた話題ではないだろうか。しかし実際には、これは異なる車種に同じネーミングを付けたものを一つの車種として数えていたものにすぎない。カローラは現在、カローラセダン、カローラランクス、カローラフィールダー、カローラスパシオという異なる車種をひっくるめたものを指す。

この話、一部では有名な話なので、いまさら何をいっているのだとツッコまれそうだが、私が驚いたのは、実質的な車種に分解したランキング(上表)にカローラが含まれていないということだ。私の根拠なきイメージでは、だいたい10位以内にカローラセダンが入り、20位以内にその他のカローラがいくつか入っているのではないかと思っていた。いくらなんでもベスト20の枠から外れているとは思っていなかったのである。

いや正確に言えば、ベスト20の枠に入っていないということ自体が驚きなのではなく、その「ベスト20の枠外」の車種が、寄り集められることにより平然とナンバーワンとして公表(下表)されているという事実が驚きなのだ。

20位以内にランキングされないクルマを不人気車種と断定してしまうのは何かと支障があるかもしれない。しかし決して大人気(ナンバーワン)なクルマとも呼べないのではないか。

先々月までのAGNランキング表ではカローラはかろうじてベスト20にランキングされていた。しかし先月の一覧表には見る影もない。20位以内に入っていればなんとか大目にみることはできたかもしれないが、さすがに今回は指摘せずにはいられない。

ランキングのカラクリを知る一部の方々へは別として「いま売れているクルマ」がどんなクルマなのか、じつにわかり難い形でアナウンスされてしまっていると言えないだろうか。

大袈裟かもしれないが、流行っているクルマが何であるかを知ることは、いまの時代の雰囲気を感じとる一つの手段であるような気がする。マスメディアの方々にはぜひ一考願いたい事柄である。

sim

2005/02/06

Pattern No.134 禅窓

「元祖しゃちょう日記」 経由で、「佐々木さんの ブログ」 を読んだ…生々しい。上沼恵美子さんのトークにだったら、まだツッコミようがありそうなものだが、佐々木さんの引き出した社長の発言は随分とクールなものではないか。
「会社を成功させて、超高層ビルの眺めの良いフロアに入居して、窓の広い社長室を作れたら、何て素敵なんだと昔は思ってました。でもいざ自分がその立場になると、もうすぐに慣れてしまって、景色なんか興味はなくなってしまう。今や窓の外なんか、ほとんど見ないですね」

一方、Christopher Alexander 他著「A Pattern Language」の一節*にはこう書いてある。
「美しい眺めがあれば、四六時中見渡せるような巨大な窓を作ってしまうことによって、それ(眺め)を貶めないで下さい…」**

相対的に全く金持ちでない私からすれば、上記の社長さんとAlexanderさん、どちらがよりマトモなのか解らない程である…いや、解ってみたいものだ。

「禅窓」、「寝転びながら、働く人を揶揄するインド人」、芥川龍之介の「芋粥」などで日本人は(…少なくても私は)、理想と現実に関しての小規模な思考実験(と小規模な実践)を繰り返してきたが、恐らく全く役に立ってない。

全く役に立たない事を(いつまでも新鮮に感じられて)繰り返してしまうのは、既にこの世界を「禅窓」として見ている事になるのであろう。


*実際は邦訳本を見ている。特にNo.134のパタンでは、或る仏僧の住いを例として印象的なエピソードが載っていた。渋い写真や手書き図版も楽しい…「パタン・ランゲージ」鹿島出版会

**私がwebテキスト翻訳を使い、少々調整(…これでも若干著作権的にはマズイのかどうか謎 そして汗)。

kskr

2005/02/03

アナロジー

マウスのダブルクリックとは「ドアをノックする事」からのアナロジーではなかろうか、と思いつつ調べもしないまま何年も経っている。

新PowerBookのtrackpad、ノート型パソコンに於けるUIの歴史としては前進なのか、後退なのか、はたまた妥協なのか。または成功なのか、失敗なのか、一過性のものなのか。

これだけは言える。一つのパソコンで、「二つのUSBポートに各々マウスをつなげば、二つのポインタが出るだろう」等と考えがちな私にとって、このtrackpadはちょっとした事件であった。

日本には「三つ指をつく」などという言い方があるが、二つ指からどう展開するのか楽しみでもあり畏れ多い事でもある…まさか千手観音様対応などとはなるまい。

kskr